函館「水口議」〈みずぐち・はかる〉

ガラスに映る世界の儚さと美しさ

1970年代の日本では、新宿に超高層ビルが建ち始め、ガラスという素材が近代化する社会の関心を集めていました。水口議は、1981年に開催された日本初期のガラス芸術展『コンテンポラリー・グラス〜オーストラリア、カナダ、アメリカ、そして日本』に選出された作家のひとりです。1983年には「ザ・グラススタジオイン函館」を設立。以来、元町ベイエリアの赤レンガ倉庫群を訪れる人々にとって欠かせない存在となっています。

水口は、機械では表現できない人の温もりを宿した宙吹きガラスを得意としています。スタジオでは、手吹きガラスの魅力を間近に感じることができ、その作品群は、ガラスという素材が持つ繊細さ、色彩、そして人の手の感触を探求し続けています。

芸術祭ツリーの装飾は第005回以来、芸術祭の恒例企画となっています。公園に光と繊細な反射、そして静かな思索をもたらしながら、地域の工芸を「世界」に出会う場の一部へと変えていきます。