
無声映画の世界に息づく、生きた声
2000年熊本県生まれの尾田直彪(おだ・たかとら)は、日本でもっとも若い世代を代表する活動弁士のひとり。伝説的な活動弁士・澤登翠の活弁に魅せられ、大学在学中より無声映画の語りの世界へと足を踏み入れました。2021年、60年以上続く東京の「無声映画鑑賞会」にてデビューを果たします。
その後は国立映画アーカイブ「こども映画館」に出演するほか、地元九州でも精力的に活弁公演を開催。澤登翠門下として、日本独自の話芸文化を次世代へと受け継ぐ存在として注目を集めています。
映画にまだ音がなかった時代、活動弁士たちはスクリーンの横に立ち、登場人物のセリフや情景、感情を声で表現しながら観客を映画の世界へ導いていました。最盛期には全国に7000人以上いたと言われる活動弁士も、現在ではわずかな人数を残すのみとなっています。
映画、演劇、語り、ライブパフォーマンスが融合した「活弁」は、古くて新しい日本独自の芸能です。尾田直彪は、その声とリズム、そして豊かな想像力によって、無声映画を「今ここに生きる体験」としてよみがえらせます。





